

田淵行男没後20年を記念した企画展シリーズの第2弾。前回に引き続き、田淵が写真集の中で遺した観察記や詩、文章に注目する展覧会です。
第1弾「表現者、田淵行男Ⅰ~言葉でみる自然写真の世界~」では、写真家としてデビューした1950年以前から1971年に出版された『山の意匠』(朝日新聞社)までの作品を紹介しました。本展はその後編として、1970年半ばに出された『ギフチョウ・ヒメギフチョウ』(1974年、講談社)から最晩年の『山の手帖』(1987年、朝日新聞社)までの作品をとりあげ、田淵自身の言葉と写真表現の変遷を辿ります。

山岳写真家と同時に、高山蝶の博物学者として偉大な業績を残した田淵行男は、個展の開催や研究誌への論文投稿ではなく、写真集の出版という形で作品を発表し続けました。本造りの現場での田淵は、写真の構図・構成、そこに添える詩や文章を綿密に作り上げたばかりでなく、ページ毎のレイアウトから装丁の作業をするまでに及び、全ての作業において自身のこだわりを貫きました。
この企画展では、田淵作品にとって欠かせなかったその本造りという要素に注目し、蝶や山への自分自身の見方を提示するために、徹底的に写真集造りと向き合った田淵の「表現者」としての姿に迫ります。
偉大な山岳写真家、高山蝶研究家であった田淵行男は、今日の危機的状況にある生態系の保全、自然環境の保護に重大な関心を寄せ、常にこれを強く訴え続けた。彼は自然に親しみ、自然を直視した写真家として、また、カメラによる観察記録を続けたネイチャーフォトの先駆者として、大きな業績を後世に遺した。この偉業を永くつたえていくと同時に、新人を発掘して、山岳写真・自然写真分野の発展に寄与することを目的として、写真作品を公募し賞を贈る。
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