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2006年11月30日
豊かな黒百合にかこまれた二重山稜の底
私の秘密な自然惑溺の砦
私の大切な自然観照の教室
無垢な自然が息づく
貴い山路の盲点
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だが そこで
私は可憐なパトロールに出会って辟易する
雷鳥親子の
懸命な凝視のまなざしと
ひたむきな講義の身構えに
私はたじろぎ とまどい
蒼惶とその場を去らねばならぬ
不遜な侵入者の自責と
招かれざる客の屈辱を浴びながら
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私の みのり豊かな道
私の 心労多き道
クロユリの季節
蝶・大滝の稜線
2006年11月29日
白々と
秋の陽がいっぱいの鉢ノ木峠
置き忘れたような小さな峠の小屋
抱きかかえてやりたいような峠の宿
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煙の匂いと かびの匂のよどんだ
小屋の中をひとまわりして
私はまた 秋の陽の中にもどった
今宵の宿をたしかめた安堵と
登りつめた喜びにひたりながら
白い 峠の砂に腰をおろす
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
静かで
物悲しく
程よい寂寥に取りまかれた
峠の真昼時
誰も登ってこない
小さな峠の小屋に
快い虚脱の時刻だけが流れてゆく
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2006年11月28日
どこよりも早い朝がくる
どこよりも早く太陽を迎える
三角点が陽を浴びる
私のピッケルが陽に光る
石像も生き生きと浮かびあがる
そして
どこよりも高く
どこよりも早く
その日の時刻の中に立つ私
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だが
山頂は大地垂直のはて
陸地孤高の突端
極限の悲哀と孤独の棲家
運びあげた一つの希望を失い
新たに一つの希望を拾って
山頂を下る私
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2006年11月26日
磊磊とひろがる
花崗岩の海
白々とつづく
砂礫の斜面
行きあう人影もなく
初秋の陽が槍に傾く
横通尾根路
あかあかと夕陽を浴びて
朱と燃えるひとむら
いち早く季節を呼び
ひっそりと
秋の山路を飾る
季節のコサージ
紫紺の槍にかざす
ウラシマツツジ
2006年11月25日
薄墨色の雲が
ひとしきり霰をちらして通りすぎると
その下に飛騨の谷がのぞいた
曇り空の下にひろがる紅葉の谷は
暗く沈んでいた
だが
見覚えのある地形を見つけて
私のこころは明るかった
次第にとぎれてくる雲の上に
岳樺がおそい黄葉を散らしていた
落葉の上には霰がまだ残っていた
私はそんな雪道の初々しい美しさの中に
すぐには山靴が踏みだせなかった
とうに三時を過ぎていたが
鍋平はもうすぐのはずだったし
何度も立ちどまっては
初冬の山路に瞠目し
陶酔し
入念に足場を選りながらおりて行った
2006年11月23日
「山をうたう」展が中日新聞のHPで紹介されていました!!
十一月初めの常念乗越
新雪のちりばめる小さな足型
初冬の山で 私の受取る
季節の便り
兎 リス テン 狐 オコジョ
そして雷鳥
山の友達の素朴な置手紙を
ほのぼのと眺め
しみじみと読み
私も山靴で返書を
余白の雪に書き残して
初冬の山を下る
ひととせの山路の暦を
心の中でめくりながら
ひととせの山路の日記を
心の中でたどりながら
私の季節の山を閉じる
私は季節の山を下る
山を遠ざかって 山を眺める季節
山を離れて 山を想う季節
追憶の地図をひろげて
回想の山路をたどる季節
山への希望を育てる季節
2006年11月22日
雲雀の声も 聞こえてこない
春肥の匂いも 流れてこない
蜜蜂の羽音も ひびいてこない
春風が 挽歌の野面を吹きぬけていく
白馬が 挽歌の野末に浮かんでいる
春霞の奥で 挽歌に聞き入る 雪形常念坊
2006年11月20日
その日は風も
縦横無尽に駆けまわっていた
晩秋の草原に
銀色の足跡を印しながら
スゲをなびかせ
シシウドをゆすり
岳樺の梢にどよめきをあげて
蕭条とさわぐ風紋の上に
浮かぶ北アの山波
風にゆれる 白銀の波頭
風が磨き 風が描き 風が謳う
風の砦 美ヶ原
風の棲家 美ヶ原
晩秋の美ヶ原
2006年11月19日
白々と
秋の陽がいっぱいの鉢ノ木峠
置き忘れたような小さな峠の小屋
抱きかかえてやりたいような峠の宿
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
煙の匂と かびの匂のよどんだ
小屋の中をひとまわりして
私はまた 秋の陽の中にもどった
今宵の宿をたしかめた安堵と
登りつめた喜びにひたりながら
白い 峠の砂に腰をおろす
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
静かで
物悲しく
程よい寂寥に取りまかれた
峠の真昼時
誰も登ってこない
小さな峠の小屋に
快い虚脱の時刻だけが流れてゆく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2006年11月18日
田淵行男記念館は、ビレッジ安曇野/プラザ安曇野/あづみ野ガラス工房とともに「安曇野の里」と名付けられた施設の一隅にあります。今年の安曇野の里は、各施設の共催によって「光のページェント」と名付けたイルミネーションイベントを行います。その準備が、安曇野の里のワサビ田広場で行われていました。今年のクリスマスシーズンは、安曇野の里にお立ち寄りください!!
2006年11月17日
夕日の影がすっぽりと峠をつつんでしまうのと
一足違いに私は小屋についた
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炉端に座を定めると ザックを開ける
その頃の山小屋にはいろりがあった
いろりには心和む時刻がすみついていた
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煙にむせびながら今日の山を思い
かんばの火をみつめながら明日の山を思う
いろりは憩の場
語らいの場
山を行く者の郷愁の古巣
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此頃の山小屋にはいろりはない
懐かしい煙にむせることももはやできない
心和む山の時刻にもはや巡りあうことはできない
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2006年11月16日
稜線を飛騨側に超えると
踏跡は消えていた
私は当惑した
だが 間もなく 私は
別の私が初めて踏む
雪の飛騨路を自力で切り開いて下る冒険に
心をはずませていくのに気づいた
私は 霧の中でゆれるナナカマドの
赤い果をわけて降り口を見つけると
そこから見えるはずの
笠岳の素晴らしい展望への未練を振切って
霧の飛騨路へ盲目ラッセルの一歩を踏み出した
クマザサの雪を踏み砕いて
身におびた野生の勘と
身につけた体験をたのみに
2006年11月14日
企画展開催初日は恒例となってきた取材ラッシュをうけました。今日は中日新聞さんと大糸タイムスさんに取材いただきました。「山をうたう」展は今までの企画展とは視点をちょっとだけ替えまして、田淵の詠んだ「詩」の側面から展示を構成してあります。キーワードは「山」「里」「花」「蝶」。詩とともに、田淵行男の作品の世界をお楽しみください。取材ありがとうございました。
2006年11月13日
今回は「山をうたう」をタイトルに、田淵行男が残した詩に注目して作品を選んでみました。田淵の作品集には写真と同時に多くの詩が収録されています。作品集は現在全て絶版となっていますので、なかなか詩を読める機会も少ないですが、写真作品を補完するすばらしい詩がちりばめられています。ぜひ、記念館で田淵の詩を見直してください!!
安曇野の冬支度のひとつですが、田淵館の前にあるプラザ安曇野でも大根を干していました。ちょっと面白かったのでその合間から記念館を撮影してみました。
道路沿いの看板も同じデザインで設置しました。今朝は昨夜の寒波のおかげで北アルプスも真っ白に雪化粧しています。新しい看板の派手な色がとても映えて見えます!通りかかった際にはぜひお見逃し無く。
新しい看板はほぼ当初のデザインのとおり完成しました。詩を背景に刷り込んだんですが、あまりよく見えませんね。。。看板のデザインも難しいもんです。。
2006年11月12日
「山の博物誌」展は今日まででした。5時の閉館と同時に「山をうたう」展の構成に変更し、展示替え準備をしました。さすがに全ての作品を入れ替えるのは一仕事ですね。あしたはいよいよ作品の展示作業をします。
2006年11月11日
四賀化石館の2階には化石の標本の他に、世界の動物の剥製が展示されています。これは今話題のツキノワグマの剥製です。前回掲載しました豊科郷土博物館のものよりかわいいですが。。
四賀化石館で横内先生にクジラの化石について解説いただきました。横内先生と言えば、おもしろ自然教室でおなじみの飯沼先生の弟さんです。前回の自然教室でもお世話になりました。たびたびお世話になります。ありがとうございました。
ニシンのウロコの化石など、泥岩質の石の中からちらほらと化石を見つけることができました。もっと大物が欲しい!!みんなで探しまわりますが。。ついに雨が降ってきてしまいました。。残念ながら、今年の化石の採取はこれで終了します。
曇天ですが、もうしばらくは天気が持ちそうなので、保福寺川沿いの化石の採集現場へ向かいました。ここはシガマッコウクジラが出てきた場所です。まだまだ化石が発見できるかもしれません!期待に胸が高まります。
本年度第8回目のむしの会は、化石の採集を行いました。しかし、あいにく雨模様。。化石の採集現場へ行けるかどうか不安ですが、とりあえずは松本市四賀の四賀化石館へ向かいました。
2006年11月09日
この冬の寒波により富士山にもさらに雪が積もったようです。山梨県忍野村の岡田紅陽写真美術館によれば春を告げる農鳥の雪形が今朝見ることができたようです。季節外れの秋の雪形は、どうしても長続きしません。見つけたらすぐ撮影するのがベストですよ!報告ありがとうございました!
2006年11月08日
14日からの「山をうたう」展の開始の準備で大わらわです。今回の企画展のために新規に焼き直したプリントも多数出品しますので、ご期待ください!!記念館の裏で、展示替え準備を地道に進めています。
2006年11月07日
日本全国でクマの出没が騒がれていますが、ご多分にもれず安曇野でも多く出没が伝えられています。田淵行男記念館の周辺は森林地帯からずいぶん離れたところにありますので、そうそう出没しないと思いますが、新世代の人知を超えたクマに進化していますので油断はできません。。ぜひ気をつけて安曇野観光をしてください!ツキノワグマについては「自然界の報道写真家」宮崎学さんのレポートがおすすめです!
2006年11月06日
2006年11月05日
「山をうたう」展の看板案です。レイアウトは看板屋さんにお願いしますので、この段階ではちょっとバランス悪いですね。イメージはこんな感じなんですが、出来上がりはどうなるか、、ちょっと楽しみです。企画展ちらしも今日送付しました。長野県内の博物館美術館や県外の写真美術館に送付してありますので、機会がありましたらお手に取ってご覧ください!
2006年11月02日
田淵行男記念館は田淵行男の写真フイルム73,000点を所蔵しています。写真資料の経年劣化はとうていまぬがれることもなく、田淵作品の劣化も進んでいます。作品をすこしでも良い状態で次世代に伝えていくことが記念館の使命でもあります。そこで、毎年最新の画像保存の考え方に接しようと出張させていただいております。