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2006年11月25日
薄墨色の雲が
ひとしきり霰をちらして通りすぎると
その下に飛騨の谷がのぞいた
曇り空の下にひろがる紅葉の谷は
暗く沈んでいた
だが
見覚えのある地形を見つけて
私のこころは明るかった
次第にとぎれてくる雲の上に
岳樺がおそい黄葉を散らしていた
落葉の上には霰がまだ残っていた
私はそんな雪道の初々しい美しさの中に
すぐには山靴が踏みだせなかった
とうに三時を過ぎていたが
鍋平はもうすぐのはずだったし
何度も立ちどまっては
初冬の山路に瞠目し
陶酔し
入念に足場を選りながらおりて行った
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