
芸術という広い言葉の中で捉えられてきた、美術と音楽。
時間の芸術ともいわれる音楽は、コンサート等を通して観客へと感動を与えてきました。近年はレコードやCDなどの記録媒体の普及によって音が形を持ち、人の手に残るようになりましたが、表現の形としての音楽は、時とともに失せてしまう、形を持たない芸術表現といえるでしょう。
一方、美術は空間の芸術ともいわれ、形を持った作品を介して、間接的に観客とかかわる表現活動として、長く続いてきました。
2つのジャンルはそれぞれ表現としての純度を高め、人々の関心を集めてきました。その長い歴史の中では、音楽会の様子を描いた絵画や彫刻、また、「展覧会の絵」などのオーケストラ曲に代表されるように、互いの分野をテーマとした作品も数多く残しています。
さらに美術表現においては、リズム・調和(ハーモニー)・旋律(動き)といった音楽にも共通する要素を、絵画・デザインや彫刻などあらゆる分野で感じることができます。
また、現代美術においては、音そのものを表現の手段として用いる作品、観客が実際に触れ音を出す事を意図した作品や、演奏等を付加する表現も試みられ、音楽—美術の垣根を越えた、新たな表現の可能性を示唆するものとして注目を集めています。
本展では、演奏会など音楽の行為を捉えた作品、色や形からリズムや旋律を感じる作品など、平面、立体作品に表現されてきた音楽の姿を展示。また、鑑賞者が作品に触れ、音を出すことによって楽しむ現代作品などを交えて展示し、多彩な美術表現の新たな楽しみを探ります。
平成20年度市町村立美術館共同巡回展支援事業として開催。
会期 平成20年4月19日(土)から6月1日(日)/38日間